高山祭り




    祭り前日

    町のひとたちは
    それほど浮き足立った様子もなく
    でも この飾りもあの飾りも
    祭りの日だけの特別な飾りらしい
    大騒ぎはしないけれど
    準備をする人々はどこかほこらしげで
    そんな人たちに町の人は声をかける
    ご苦労様というようになにげなく





雨が1粒でも

祭りでない北の町でさえ心配するお天気

とにかく口々に
「1粒でも落ちたら屋台は出せない」
というのだ
それこそ綿棒で水滴を取らなければならなくなる
という高価な代物らしい

しかし
私の目の前でその「ほんの一粒」が
落ちる事になるとは・・・









華やかな屋台の数々が祭りの中心に集まって驚いたのは
春と秋の北と南の二つの町どころか
町ごとの十二の屋台に分れた

この背中の数々

町のあちらこちらから屋台が現れ練り歩くので
全て追いきれなかったのが心残り
「来た!!」なんて声がすると
屋台と裃にと目が大忙しの私でした









こんなに狭い町並みを
ゆっくりゆっくり進む屋台


    ほんの少しの雨で噂通り
    屋台は蔵へ

    ちょっと一息の
    せんべい屋のご主人をみて
    このお祭りを
    ちょっと身近に感じた

    嬉しい事に
    このあと雨はやみ
    祭りはつづいた





夜は提灯の明かりで賑やかになるという高山を
後ろ髪をひかれながら後にした
心残りは次の旅へのづづきとなるのです
ふふふ