柄谷行人とバフチン


 柄谷がどっかで「夏目漱石の文学論はフォルマリズムだ」ということを一行でかいて小林秀雄級の異次元省略を行っていた。たぶんバフチンの事を言いたかったのではないか。夏目漱石の文学論が特異だといって、それを研究する人がいないと嘆いたのは吉本隆明で、(天才)柄谷はざっとよんでフォルマリズムと言って、この仕事は特異だといって本を閉じた。  近代日本文学の起源という面白い本があり、中村光夫と肩をならべるような面白さである。言文一致の語尾について語るというのはどういうものか。ちょっとにわかにはかんがえつかないのでもう一度よみなおすのもよいだろう。
読み直したらちょっとニュアンスが違った。面白いが何だか灰を噛むような思いだ。