小堀さんのライブで岡さやかさんともう一組も出るというやつを見 に行くも、そこは客も出演者もチャージはなしという仕組みで、要 するに客の飲み食いでもとを取るということだと思うが世界のビー ルが選り取り見取りな品揃えになっているのを堪能しつつライブを 見ていたが、出演者の人たちが全然客を連れてこなかった感じで、 店内は閑散としていた。それで演奏が終わった後に一通り歓談して 帰ろうとした頃、店の人が来て、一組目に出た人はちょっとうちの 店のイメージと合わないんだけどね、と小堀さんに切り出すと、小 堀さんは、そういうのは個人の趣味で色々あると思うが彼らは仲間 なので一緒にやろうと思って連れてきたので別にそういうのが嫌な ら自分はそこでやろうとは思わないと答えて微妙な雰囲気になるが、 何か結局小堀さんは最終的には次のライブの予定を決めていたりし て、何事にもこだわりのない所を見せていた。
会社の健康診断を受ける。会社に入って以来、毎年体重が二キロず つ増えているので、このまま行くとえらいことになるような気がす る。
ルケーチ 、および ねこねこ のライブで、四時くらいに会場に行ってリハーサルを見学したりす る。本番ではみんながきっかけを探してきょろきょろしたりしたり していて、その視線が最終的に頼りにするのは宮沢さんなんだけど、 宮沢さんは黙々とベースを弾いているという光景がほほえましかっ た。そんな浮き足立った中でねこねこのゲストで出たみちるさんの 場慣れした歌いっぷりは立派なものがあったというか違和感があっ たというか、どうも話を聞くと大学の僕と同じ学部の後輩なのでだ から何だという訳ではないが立派なものだった。
鹿島くんと岡さんと富山さんは着物を衣装として着ていて、鹿島く んは襟からオレンジ色の縁取りのTシャツがはみ出しているし、岡 さんは振袖を着ていてそれがしゃぶしゃぶ屋の女給さんみたいだし、 とにかく盛りだくさんな感じでそれを楽しみ、店が引けたあとはう ずらさんの家に十人以上の人数で押しかけてんやわんやで夜はふけ る。寝てたら明け方に誰かトランペットを鳴らしてたな。
うずらさんの家にはグランドピアノがあって、それを皆が弾いたり ギターを弾いたり、バーミヤンでビールを飲んだり、モンティ・パ イソンのビデオを見たりしてまったり過ごす。
会社で Linux のことを教えて欲しいというので非常に久しぶりに 湯島に行く。今までは NT でやっていたアプリケーション・サーバー を Linux に変えて欲しいという要望が客のほうからあって、その 調査をするという話になっているらしいが、Linux について解る人 が誰もいないし、用意できる目処も立たないので、要するに調査結 果は無理ですっていう話にする予定なのを形だけでもやるという、 非常になんというか、つまらない仕事だな。僕は珍しく趣向の違う ことが出来て面白かったが。
インターネット用のケーブルモデムが週末から不調でインターネッ トが使えなくなってしまって、日々会社からも自宅のサーバーに繋 いで色々やったりしているのでその日々の生活がままならず、大至 急修理に来てもらう。自分は会社を午前半休で自宅に待機して、ゆっ くり眠れてよかったが、それはともかく、修理の人はケーブルのモ デムに繋がっている口のところを付け替えて何かそれであっさりな おちゃったみたい。それで工事の人はうちのトイレを借りた後に帰っ て行った。
ねこねこのライブを見に吉祥寺に行く。ただ見に行っただけなのに いきなり受付をやらされて、入り口の階段のところでチケットを持っ て座っていたが、特に客は誰も来なかった。対バンの人の客はいっ ぱい来てたけど。
「イデオロギーの崇高な対象」を読む。イデオロギーというのは要 するにポジティブな形での否定の否定としてある。例えば反ユダヤ 主義だったら社会に対する否定的要素をユダヤ人に求めそれに対す る否定、つまり否定の否定としての反ユダヤ主義がある。そこでの 否定としてのユダヤ人というのは否定の否定が成すシステムから遡 及的に生成される。
こういうふうに循環してしまう所が恐らくジジェクに向けられる批 判の原因だと思うが、遡及のプロセスの書き方は見事だと思うし、 SFや映画や小話を題材とした分析の鮮やかさは読んでいて気分が いい。しかし実態というのは症候であるというような夢も希望もな い話よりももうちょっと夢や希望がある話を求めるような風潮が世 の中にはあるような気がして、もうちょっと丁寧に読んでそういう 部分での取っ掛かりがつかめるようになればと思う。
オラクルのツールで Pro C というのがあって、C の中に PL SQLを 埋め込むのに使うやつだが、それの使い方が解らないので教えてく れと前に一緒に仕事をしていた人から言われて江古田まで行く。結 局ほとんどは自力で解決していたみたいなので十五分くらいその話 をして後は酒を飲んでいた。その Pro C を使って作るプログラム の期限が三月いっぱいまでなのにも関わらず今やっと使い方が解っ たというかなり切羽詰った状況らしくてとても大変そうだった。
昼頃に岡くんから電話がかかってきて、マックからネットワーク上 にあるプリンタに印刷が出来ないのだけどどうすればいいのかと聞 かれるがそんなものは解らないので適当に答える。その後池袋のラ イオンでビールを飲みながら本を読んでいると再び岡くんから電話 がかかってきてファイアーウォールとルータの設定の仕方が解らな いので教えてくれと言われるがそんなものはやったことがなくて解 らないのでルーターかファイアーウォールを作ったメーカーとかプ ロバイダに聞いときなさいと答える。それで話の勢いで岡くんの家 に行くことになりおでんを食べたり、そこにカトキチの冷凍うどん を入れて食べたり、ビールを飲んだり、日本酒を飲んだり堀江くん が来たりする。
岡くんと中野さんと石神井公園を散歩しつつ図書館に行く。すっか り暖かくなりましたな。しかし花粉症のせいで、長時間外を歩くの はとてもつらい。
その後はベンズカフェの朗読ライブに行く。バロウズの詩を読んで いた人がいて、「I am right. You are wrong.」っていうのを延々 繰り返すのがとても格好よかった。
四連休にするために会社を休みにしておいたので何をしようかと思っ たが、とりあえず散歩がてらに市役所まで住民票を取りに行く。帰 りがけに北浦和の喫茶店でコーヒーを飲んで、店の中は照明がゆる くてほの暗く、外から明かりが入ってくるのが床に伸びるのを眺め ながら本を読んだりする。
岡くんに借りた数学の歴史の本を読む。数学者の伝記とその数学者 の業績の紹介が年代順に並んでいる本で、例えばニュートンの未発 表の草稿や論文を収集したのがケインズで、そのケインズの集めた 中には錬金術に関する文書が大半を占めていたという話が載ってい て、それでケインズはニュートンに対して、コペルニクスとファウ ストの性質を併せ持つ偉大な人物という形容をしている。最近筑摩 文庫からゲーテの色彩論が出ているがその解説を読むと、ゲーテも 錬金術に凝っていた時期があったらしくて、中世と近代をその断絶 から見るよりもその連続において見るという視点がニュートンやゲー テを相手にするには必要になるのではないかと思った。
またもやケーブルテレビのインターネットが繋がらなくなる。それ で問い合わせてみた所、建物全体の中でインターネットを使ってい る人がいないほうの基幹にフィルターをかける工事をしたつもりが、 うちの部屋に繋がっている方の基幹にフィルターをかけていたとい うことらしい。なんたること。
岡さんの家に遊びに行くので東長崎に行ったが、帰ってくるのが遅 くなるということなので四年前まで自分も住んでいた東長崎の散策 を堪能する。大江戸線の駅が出来てその駅前にはマクドナルドや、 神戸らんぷ亭が出来ていたが、後は特に変わった所もなく、相変わ らず半分傾いたような建物のラーメン屋や床屋があり、前に住んで いたアパートも健在で、しかしその前には新しく建ったと思われる 綺麗なアパートがあった。それでよく食べていたラーメン屋でつけ 麺を食べて昔食べていたときほどおいしくはないと思いながら、東 長崎の駅前で酒でも飲んで時間をつぶそうと思うが、なかなかいい 店が見つからず、適当に小料理屋と書いてある店に入ると他に客は いなくて狭い店が静寂に包まれている中でビールや日本酒を飲んで いるうちに店の人と話をしたりして過ごす。
北浦和のラーメン屋でつけ麺を食べながら、サイゾー、Unix Magazine、Software Designなどの買ってきた雑誌を読む。ユニマ ガは久しぶりに読んだら面白かった。
NHK で宇多田ヒカルのライブとインタビューをやっていた。ライブ では尾崎豊や山口百恵の曲をやったりしていて、各自きしむベッド の上にやさしさを持ち寄って集合という感じだった。
最近サボりすぎて仕事が全然終わっていないので家で夏休みの宿題 が終わらない小学生のように仕事をする。
職場で花見をやるという名目でなぜかカラオケボックスで宴会をす るというよく意味の解らない趣旨のものが開催されて、恐らく春休 みの中学生や高校生だと思われる人たちが集う昼間のカラオケボッ クスにスーツを着た会社員が集ってカラオケをした。何だったんだ いったいという感じの一日だった。
職場の近所にあるとんかつ屋で晩御飯を食べていたら客が他にいな くて暇だったのか店のバイトの人が四月からどこか外国に行くとか でその餞別におかみさんがコートをプレゼントするというような話 をしていて、それで試着をしたバイトの人に突然、お客さんこれ似 合いますかとか聞かれて、驚いて口の中にとんかつを突っ込んだま ま見上げてしまった。しかし、その時に厨房の中にいた角刈りごっ つい体をした人が、そういう色のコートにはブルーのラインのメイ クをすると映えるわよと、おかま言葉で話し出したのはびっくりし た。
最近あちこちに出来てとても盛況な様子の牛角に行ってみる。確か にこれなら安楽亭より全然いいな。
相変わらず怠け癖が抜けなくて会社で仕事が捗らないので家に帰っ てから続きをやったりする。家でやったほうがいい感じで仕事が進 むので在宅勤務とかもいいかも知れない。
職場の人と飲みに行って酔っ払いすぎて帰りがけにコップを落とし て割ってしまう。
十条においしい讃岐うどんの店があるというので行ってみる。名前 だけは聞いたことがあるが実物は見たことがないぶっかけというの を頼むと、まず暖かいのか冷たいのかと聞かれるので雪も降ってい て寒いことだし暖かいのにして、今度はたぬきにするかおろしにす るかと聞かれたので、おろしにした。結構長い時間待たされて出て きたものを見ると大根おろしやゴマがうどんの上にのっていてそれ に薬味やすだちのようなものが添えられていて、ぶっかけというの は語感から何か威勢のいいかけうどんのようなものだと思っていた が、その威勢のよさがどのあたりに現れているのかは今ひとつ判然 としない。
しかし箸をつけ、うどんを口に入れて噛んでみると、圧倒的にコシ のあり、そして弾力に富んだ歯ごたえで、これまで讃岐うどんとい うものを話に聞いて想像していたものの実態を明確に得た気がして、 なるほどこれは確かに中毒性の強い食べ物だと思った。