とりちゃん-1

ろぼっとくんは てつで できています

とりちゃんは ろぼっとくんのことが だいすきです
だけど ろぼっとくんは てつで できているので すきとか きらいとか よ
くわかりません
とりちゃんは とりちゃんで ろぼっとくんが すきとか きらいとかが よく
わからない かんじが わからないんです
とりちゃんは いつも ろぼっとくんのそばにいます
「ろぼっとくん ろぼっとくん ねえ だいすきよ。」
ろぼっとくんは べつに きいてるかんじでもなく あいかわらず だまってい
ます
とりちゃんは それでも
「ねえ ろぼっとくん ろぼっとくん とっても とっても だいすきよ」
それでとりちゃんは ろぼっとくんの かたに ちょこんと とまり ろぼっと
くんのかおに ちゅうを しました
そしたら ろぼっとくんの なにかの ぼたんを おしてしまいました
ろぼっとくんの からだが ぶるぶるしだしました
とりちゃんは 
「うわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ」
でんきが ながれているみたいに からだが しびれて ぶるぶる してしまい
ました
とりちゃんは きをうしなって ろぼっとくんの かたから おっこちてしまい
ました
ろぼっとくんは なんにもいわず とことこ あるいていってしまいました

とりちゃんは ゆうがたになってから めをさましました
とりちゃんは とこ とこ とことあるいて 
「とりちゃん うち かえって ねないと」
といって とんで かえりました。


つぎのひになりました。

とりちゃんは あさごはんを たべるために きまで とんでいきました。
きには とりちゃんのだいすきな おいしいきのみが いっぱいなっています。
「ああ おいしい とりちゃん きのみ だぁいすき。」
とりちゃんは くちばしで きのみを つっついて ひとくちで たべちゃいま
す。
でも ほんとは とりちゃんは きのみより ろぼっとくんのほうが だいすき
なんです。まえに とりちゃんは ろぼっとくんのために この おいしいきの
みを もっていってあげたことが ありました。 とりちゃんのままが とりち
ゃんが あかちゃんだったころみたいに おいしいきのみを のみこむのを が
まんして ろぼっとくんのところに もっていってあげたことが あったんで
す。
「ぼぼっぼぐん ぐぢ あげげ。」
とりちゃんは ろぼっとくんのまわりを ぱたぱた とんで くちばしから き
のみがこぼれないように いいました。
ろぼっとくんは あたまのなかで とりちゃんが いったことばを ただしいこ
とばに おきかえました。

ロボットクン クチ アケテ

ろぼっとくんは くちを あけました。
とりちゃんは ろぼっとくんの くちのなかに おいしいきのみを いっぱい 
あげました。それから とりちゃんは にっこりわらって ろぼっとくんが 
「おいしいよ ありがとう」って いってくれるかなと おもって かおを の
ぞきこみました。 
すると ろぼっとくんの いろいろな ぼたんが ちかちかひかりだしました。
  
とりちゃんは うれしくなりました。
ろぼっとくんは きっと こんなに おいしいものを たべたことがないと び
っくりして かんどうのあまり ちかちかしてるに ちがいありません。
ちかちかが どんどん すごく なりました。 とりちゃんは 「おいしいよ」
を まっています。そして
ろぼっとくんの くちから きのみが ぷぷぷ と とびでて きました。
とりちゃんは にっこりがおの まま きのみに あたって たおれてしまいま
した。
ろぼっとくんは くちを あけたまま どこかに いってしまいました。

きょうも とりちゃんは きのみを いっぱい たべました。
「ああ おなか いっぱい。ろぼっとくんも きのみ たべたらいいのになぁ。
とりちゃんのこと すきに ならないかなぁ。」

とりちゃんのいる となりのきには あかいへびさんが とぐろを まいていま
した。
この となりのきには あかいみが なっているので あかいへびさんは とぐ
ろを まいていると あかいみに そっくりです。  
へびさんは あかいみの ふりをして よく ぬすみぎきをします。
そして にやりと わらいました。


このひの ろぼっとくんは といえば。

ろぼっとくんは のはらに つったっていました。
あさは あかいそらを みました。
あたまのなかで あかいそらを すうじに おきかえて いました。
ひるは あおいそらを みました。
あたまのなかで すうじになった あかいそらに また すうじを たして あ
おいそらも すうじに してしまいまいた。
ゆうがたは きんいろの そらを みました。
すうじになった あおいそらに かけざんを しました。それから わりざんを
しました。だけど わりきれませんでした。
ろぼっとくんの あたまのなかは きんいろの そらの すうじで いっぱいに
 なりました。よるの そらに なっても きんいろの そらの すうじで い
っぱいでした。

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