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■主な参加者について |
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TAMO2 岡 奈良 長谷川 junius |
飛び入り参加。国際共産趣味ネット等で活躍 プロ文連代表の1人。自然主義好き。東京在住。 プロ文連友人。 プロ文連師匠の知識人。関西在住。 プロ文連事務担当・責任者。住所不定(この後入院)。 |
■事前の注 | |
※本座談会は、小林多喜二全集や手塚富雄、中野重治や桶谷秀章などを読んでいた者たちと、大正文学の愛好者による雑多な対談というかたちになった。本来ならプロレタリア文学運動一般や転向問題、政治と文学論争にも話題を展開したかったのだが、今回は準備不足だっため、別稿にしたい(junius)。 ※資料の調査ミスなどによる誤記があるかもしれないが、とりあえずはこのまま、生のかたちで掲載した上、附註や、読者御諸君の指摘を随時取り入れてゆき、さまざまな角度から多喜二像を俯瞰してゆければ、と願っている(junius)。 |
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岡 | 俺は多喜二について語るよ |
junius | そうです、多喜二っす。今日は日記と書簡、その他資料をわんさと借りてきたんだけど |
岡 |
おお>小林 俺はあの、プロ文で多喜二ファンだってひとと、話にきたんだよ |
●蟹工船リライトについて |
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岡 | じゃあ、まず蟹工船から |
junius | はい。 |
岡 | ええと、どうすか、奈良さん>蟹工船 |
奈良 |
PATIO にあがってるログは非常におもしろいです。 でも本はよんでいないのだ。申しわけない |
岡 |
なんて中立な(わらい)>奈良 岡ちん:どこがおもしろかったですか?>奈良 |
奈良 |
中立かしら(笑)ええと、まず まあわたしの場合はログをひっぱってきた人物の、 ええと、わたしなりのイメージとからめてよんでしまうので あれ強烈なところはかかれてないのでは? |
[解説:岡はプロ文用に『蟹工船』リライト中。リライトというか、粗筋紹介というか、ハイライトはそのままというか、そういうもので、これがプロ文連多喜二特集、蟹工船紹介。この時点では、仲間内で読まれていた] | |
TAMO2 | パティオは、入りやすいのでしょうか? |
junius | えーと。プロ文連とは全然関係ないところで、勝手にやってるんですよね・・ |
奈良 | どなたかががっと多喜二作品のいちばんすきなやつとかタイトルあげてくれません?蟹工船がいちばんおもしろいの? |
junius | 1928・3・15 が強烈でしたね、私には>奈良 |
●多喜二とチャップリンなど |
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岡 | あなたの多喜二をぜひ聞かして下さい>TAMO2 |
TAMO2 | そうですか。では。私は、多喜二というとすぐに思い浮かべるのは、その鋭さです。みなさんは、チャップリンをご存知ですよね。 |
岡 | おお、チャップリン |
junius | もちろん。 |
TAMO2 |
チャップリンについて、多喜二は鋭い批判を行なっています。 日『共』をはじめ、日本の左翼でチャップリンの批判を行なっているところは僕は知りません。 |
奈良 | どんなものです?かいつまんで。むずかしいだろうけど |
TAMO2 |
だが、多喜二は、彼の芸術性を評価しながら、自らとは全く違う立場の人間であると批判しています。それは、多喜二はプロレタリアートの立場に断ち切っているのに対して、チャップリンは余りにも高収入を上げすぎた、それゆえ本当の意味での大衆芸術を作り上げる事ができるのだろうか、と。 私は、ショックを受けましたね。 |
岡 | あー、でも収入にいっちゃうんですね |
TAMO2 | そう、収入は「階級」構成の重要な要因ですから。 |
[解説:ここで言及されているのは初期評論、『チャップリンのこと其他』。新日本版多喜二全集(1982年刊)5巻所収] | |
長谷川 | それで、TAMO2さんはチャップリンを知っているのですか? |
TAMO2 | 代表作と言われるものを昔少し見たくらいで、詳しくはしりません。 |
長谷川 | それでは、それは多喜二の立場に共鳴されたのであって、チャップリンは別にどうでもいいわけですね? |
TAMO2 | いや、それは違います。今は他に時間を取られるので、なかなか見る機会がないですが、20世紀の文明批評として、チャップリンをじっくり見たいと思っています。 |
長谷川 | ああ、なるほど(笑) |
TAMO2 | レッド・パージという犯罪の被害者ですし(これは関係ないか)。 |
junius | 収入にいっちゃうんですね、というと、岡くんはそれに対してどう考えますか? |
岡 | 収入はともかくとして、技術的な話なんですけどね>junius |
岡 | カフカとかが、本当に言ったかは分からないけど、チャップリンについて言っている。そりゃ、あの、あれですね、対話とかのやつでね、そういう方向の方が、俺は面白かった。だから、そこでカフカがチャップリンについて言うのは、活劇、映画そのものの事なんだね。それでね、多喜二が、活劇についてどう思ったかってのがね、なんか面白いかなあと思ってね |
奈良 | 文明批評と社会批評はどうリンクするんですか? 社会ってなんていうか(笑) |
TAMO2 | 文明は社会の中にあるわけですし。あの、靴を喰う奴、面白かったし。 |
奈良 |
そうか。社会っていいかたのほうが網羅してるのね(ごめん言葉わからなくて(笑)) ちがうな。単純に“大衆”の生活とかいうやつかな |
岡 | そういうところへ行かないで、俺は技術的なところをなんか知りたいんだけど |
junius |
日記を読んでみると面白いですよ>岡くん なかなか面白いところがあって、ハーディがチャップリンに似てる、いや、逆だったかな、そういうことを言うわけです>多喜二。技術的なって岡が言ってることと繋げようと思うんだけど、ハーディとストリンドベルクを同時に読んでいて、多喜二は最終的にストリントベルグや、ドストエフスキーに行ったのね。そこで、チャップリンがハーディの模倣をしてるって言葉が出てくるんだわ。 |
TAMO2 |
へえ。>juniusさん ドストエフスキーは一時はまったけど、ごめんなさい、ストリントベルグを知りません。 |
junius | ストリントベリとかともいわれるんだっけ? 北欧の人で、社会批判っぽい小説や戯曲を書いてる人です。多喜二は、蟹工船書く前なんかにかなり傾倒してたみたいで。 |
TAMO2 | 20年代の方ですか?>ストリントベルグ |
junius | うーん、正確な年代は判らないけれど、多喜二が翻訳で読む頃にはもう死んでいたはず。一世代かそのくらい前じゃないかな? |
長谷川 | 日本では大正時代にはやったね>ストリンドベルク |
TAMO2 | となると、19世紀ですね。ネットで調べたいのですが、英語でのスペルが分かりますか?>ストリン |
junius |
えー、だから、岡がさっき、カフカがチャップリンについて語るとき、そこに映画そのものがあるって言ったけれど多喜二にとっては、それがストリントベルクであり、ドストエフスキーなんじゃないかなって ええと。辞書引きますね(笑) |
TAMO2 |
ごめんなさい>juniusさん あ、寝ます。 |
junius | あれれ。ああ、そんな時間ですか。どうも、ご参加ありがとうございました>TAMO2さん |
長谷川 | 司会者、もっとまとめろよ(笑) |
junius | ちょっと待って(笑)せんせも進行手伝ってよ(笑) |
補足:Strindberg でした。 |